5.お産に向き合う

 

自分の力でお産をしなければならない、となったら、
お産に向けて準備をするでしょう。

食べる内容、量、時間に気をつける、運動をする、体調に耳を傾ける、
腰が痛い、むくんでいる、
よくなるためにどうすればよいのか考える。

お産に向けて準備をする、
これはすなわち、自分の身体を通して、
赤ちゃんや赤ちゃんの環境である子宮に意識を向けることにつながっています。

どんどん大きくなっていく赤ちゃん、大きくなっていくおなか、
重くなっていくからだ、
それらを受け入れながら、いずれやってくるお産のために、
無事生命を生み出すために、少しでも良い状態になるよう、日々過ごしていく。
そのプロセスが大切。
これが「お産に向き合う」ということです。

そうやって準備をして産んだ方々が感じた、感動、満足感、自分への自信、幸福感、
赤ちゃんや夫や周囲の人への感謝の気持ち、家族の絆、人に支えられていること、
生命の重さ、赤ちゃんの力、母になる決心など。
これらは、陣痛の痛みを忘れさせてくれるに、十分でかつあまりあるものでした。

なかでも注目すべきことは、緊急で帝王切開になった方も、
「満足」、「神秘的な体験」と感じていること。
下(ちつ)から産むことがすべてではない、
そのプロセスが大切なんだということを教えてくれていました。

ご主人と一緒に向き合う

ご主人が必ず立ち会わなくてはならない、とは言いません。
でも、妊娠したのが判った時の喜びから、妊娠中のわくわく、ドキドキした気持ち、
そして陣痛がきてからの緊張と赤ちゃんにもうすぐ会えるという期待感は
ママだけのものではないはずです。

お産の時には、ほとんどのご主人が赤ちゃんを産むかのように力を入れ、
呼吸を整えています。
自分のこととしてこの妊娠を捉え、感じ、行動してきた結果だと思うのです。

そしてそれは、赤ちゃんを抱いた瞬間から、夫婦で一緒にこの子を育てていくんだ、
という喜びと責任感にあふれた気持ちに変わっていきます。

それに続く子育て。
特に夜はこんなだよ、という現実を体験すること、
如何に妻は疲れていくのか、を知ること。

そして、この最小にして最強の力を持った家族というユニットにおいて、
自分は何を為すべきかという問いに対して、自ずと答えを導き出していくのです。
それは、一緒にお産をしてこそできることではないでしょうか。

里帰りして産む場合、
夫にとっても大事なお産を、お里のお母さんとしてしまうのですか?
夫が運良く赤ちゃんの誕生に立ち会えたとして、夫は直ぐに仕事のため東京に戻り、
次にわが子に会うのは一ヶ月後。
妻は一ヶ月のお姫様生活から一変する環境に気分も下向きになることもあります。

自分たち自身の最小最強ユニット「家族」作りは、

おなかの赤ちゃん、
産むお母さん、
見守り応援するお父さん、
お兄ちゃんお姉ちゃん、

皆で集まって始めようではありませんか。

育児=赤ちゃんに向き合う

そして、育児。
妊娠中から向き合ってきたなら、なにも改めて始まることではありません。
赤ちゃんへの関わりは、それまでと同じです。

実際、妊娠・出産を乗り越えた人を見ていると、
自然と赤ちゃんに向き合っていると感じます。
お産で疲れているだろうに、赤ちゃんが泣くたびに抱き上げ、
要求されるままにおっぱいをあげ、
夜昼なく根気よく付き合っている姿をよく目にします。
(おかげで自然と母乳栄養率も高くなります。)

子どもは、全く自分の思い通りにはならないもの。
いつでもどこでも、泣いて親に要求する。
それを受け入れて、1日の中で、何回もおっぱいをふくませ、おむつをかえ、
何時間も抱っこをする。

言葉を話せない小さな人から発せられるサインを、全身で感じて,読み取っていく。
マニュアル的な育児ではなく、
この子の声を聞くことだということを、知っている。
妊娠中から身体の声を聞き、赤ちゃんの声を聞き、向き合ってきたからこそ、
できることなのだと思います。

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