妊娠初期の乳房チェック

20年程前、
私が勤務していた帝京大学産婦人科病棟に産褥1ヶ月のお母さんが入院して来ました。
「妊娠中から続いている、分娩後に悪化した乳腺炎」が彼女の訴えでした。
皮膚がむくみ赤くなった乳房は典型的な炎症性乳がんでした。

なぜ誰も気付かなかったのか、
もう少し早く発見することができなかったのか!?
妊娠中、産褥期乳がんの多くは、妊娠・授乳による乳房変化により、
視触診のみでは早期乳がんの状態で発見されることが少なく、
多くは進行乳がんの状態で発見されます。

現在に至ってもまだ、上記のようなエピソードは散見されます。
一人でも多くのお母さんが、家族の中心になって
幸せな人生を送り続けることができるように、
「乳飲み子を残して」しまうという不幸な転機をとる
妊娠中、授乳期の乳がんを1例でも少なくするため、
当院では、妊娠初期に、
視触診・超音波検査併用の妊婦乳房スクリーニングを続けています。


一人でも多くの産婦人科医に
妊娠初期乳房チェックをしてもらいたくて、学会発表を続けてきました。
これは、2012年の沖縄の空の下。

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