赤川クリニック

ー 荻窪駅から徒歩5分の産婦人科 ー

子宮がん検診、乳がん検診、思春期以降の月経に関する諸症状、妊娠を考えている方の相談、避妊、外陰部やおりものの悩み、子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫のフォロー、更年期・閉経後の悩みへの対応等を行っています。
女性の生活、人生をより快適に、健康に過ごせるようにお手伝いしたいと考えています。

子宮がん検診

子宮がんには、子宮の入り口(頚部)にできる子宮頚がんと、子宮の奥にできる子宮体がんの2種類があります。
頻度として多いのは、子宮頚がんです。
自覚症状は出血(性交時)ですが、出血が起こる前の早期に発見することが大切です。

区民健診で行う子宮頚がん検診は、子宮頚部の細胞をこすりとる細胞診です。
定期的な検査を受けてください。

オプションメニュー

  • 1. HPV検査

    子宮頚がんは、セックスで感染したヒトパピローマウイルス(HPV)が、子宮の出口の細胞に変化を起こし、がんへ進んでいくと考えられています。
    HPV検査では、子宮頚がんの発症と関係が深い、ハイリスク型HPV16、HPV18に感染しているかどうかを調べます。
    通常行なう細胞診と、HPV検査を併用することで、前がん状態の発見精度を高めると考えられています。
    HPV検査は、子宮頚がん検診時、ご希望に応じて行ないます。
    HPV検査単独でも行うことができます。

  • 2. 卵巣がん検診

    卵巣は元々、親指の頭くらいの臓器ですが、10倍くらいに大きくなっても気づかないこともあります。
    「なんだかお腹が大きくなった」、「お腹がひどく痛い」など、がんが進行したことにより現れる症状によって発見されることも少なくありません。
    「卵巣がん検診」という確立された方法はありませんが、腟からの超音波検査を行なって、卵巣の大きさや形に異常がないかをチェックすることで、卵巣がんの早期発見につながると考えています。
    子宮がん検診の機会に、卵巣がん検診も同時に、お勧めしています。
    卵巣がん検診単独でも行うことができます。

子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)

子宮頚がんが、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって起こることがわかり、HPVに対するワクチンが作られました。がんの発生をワクチンで予防することができるのです。
子宮頚がんに関しては、検診による早期発見から、ワクチン接種による発がん予防へと状況が大きく変化しています。(ワクチン接種後も、定期的な子宮頚がん検診で現状を把握することが大切です)

HPVには100種類以上もの型が知られており、その中で特に子宮頚がん発症に関わっていると考えられているのがHPV16とHPV18です。
現在、HPV16・18を含む4種類の型に対する4価ワクチン「ガーダシル」と、さらに多くの型に対応した9価ワクチン「シルガード9」が用意されています。
公費負担の定期接種に使用されるのは、2022年5月現在、4価の「ガーダシル」です。
「シルガード9」は、自費診療で受け付けています。

ワクチンを接種することで、HPVに対する抗体が自然抗体の8倍以上に上がり、ウイルスが感染しても活躍するのを抑制します。

  • 理想的なワクチン接種のタイミングはHPVに感染する前(セックス未経験)です。
    定期接種の対象が、小学校6年生〜高校1年生相当(12〜16歳)である根拠です。

  • 2022年から三年間に限り、国がワクチン接種推奨を控え、接種の機会を逃した方々のキャッチアップ接種(無料)が始まります。対象は平成9〜17年(1997~2005年)生まれの方々です。

  • 30歳以上の方は、すでにHPVに感染している可能性が高く、検査上はHPV(ー)であっても潜伏状態である可能性があり、12〜16歳の適齢期接種と比較すると、ワクチンの効果は低いと考えられています。

【HPVワクチンの有害事象】

ワクチンを含め、薬剤を人に投与した際に「投与された人に生じたあらゆる好ましくない、あるいは意図しない徴候、症状、疾患」は、その薬剤との因果関係が明らかではないものも含めて「有害事象」と定義されます。
そのうち、投与されたワクチン、薬剤との因果関係が明らかになっている、治療に関わる主作用とは異なる作用で発生した「好ましくない、意図しない徴候、症状、疾患」を「副反応」「副作用」と言います。

 

日本でHPVワクチンが投与され始めた頃の有害事象の一部は「身体の機能性障害(機能性身体症状)」であると報告されました。「機能性身体症状」とは、一般身体疾患を思わせる痛みなどの身体症状はあるものの、検査、身体所見では異常が見つからない状態を指します。恐怖、ストレス、痛みなどをきっかけに生じ、著しい苦痛や様々な機能障害を引き起こすと考えられています。

日本のマスコミで問題にされたHPVワクチン接種後の症状は「ワクチンによって生じた」のではなく、「ワクチン接種によって、思春期女子に元々多い症状、病気が顕在化した」と考えるのが妥当なのだと思われます。HPVワクチンの副反応として報道された症状は、HPVワクチン接種の有無に関わらず、様々な誘因で思春期女子に一定の頻度で発生する可能性がある症状なのです。

 

HPVワクチンを接種した後に心配な症状が出た場合は、まず、接種を受けた医療機関を受診し、相談してください。
診察の結果によっては、HPVワクチン接種後の有害事象に対応する専門の協力医療機関をご紹介することもあります。

乳がん検診

赤川クリニックでは、妊婦さんを対象に、視触診と超音波検査を併用した妊婦乳房スクリーニングを行い、現在まで8,000例を超える方々を拝見してきました。
その結果を、日本乳癌検診学会や日本産婦人科乳腺医学会などで発表し続け、産婦人科医による乳腺疾患スクリーニングに、視触診・超音波検査が有用であることを示してきました。
この実績を持って責任を持ってみなさんを拝見いたします。
乳房、乳腺に違和感を持つ方は、ぜひ相談に来てください。

乳房を意識する生活習慣「ブレスト・アウェアネス」について、下記をご参照ください。
https://www.jbcs.gr.jp/uploads/files/citizens/breastawareness_pamph.pdf

妊娠を考えている方へ

  • 当院では、タイミング合わせ、内服薬による排卵誘発を行っています。

    1. タイミング合わせ

    妊娠の成立にとって大切な条件の一つは、排卵です。
    排卵の有無やタイミングは、基礎体温を記録することで、ある程度把握することができます。
    また、超音波検査では、卵胞の大きさから排卵のタイミングを知ることができます。

  • 2. 内服薬による排卵誘発

    排卵がうまく起きていない場合、プロラクチンや甲状腺などのホルモンに問題がないか、血液検査をお勧めすることがあります。
    検査で問題が見当たらないときには、排卵誘発剤を内服して反応をみます。
    排卵誘発剤を服用して数日後に、卵胞が育っているかを確認し、タイミング合わせをしています。

  • 3. ブライダルチェック

    妊娠する前に風疹や水痘、麻疹などの感染症に対する抗体の有無を検査し、必要があればワクチンを接種することをお勧めしています。

生理痛、PMS、避妊について

これらの治療には、卵巣ホルモン製剤を用います。
卵巣ホルモン製剤は、目的によって次のようなものがあります。

    • 望まない妊娠をしてしまう可能性がある場合の緊急避難的な薬です。
      妊娠の可能性がある性交後から、なるべく早く服用することが勧められています。
      服用後10日ほどで出血が起これば、妊娠が回避されたと考えます。
      14日経っても出血が起こらない場合は、妊娠検査をしてください。陽性となった場合は、必ず診断を受けてください。
      この方法は、100%ではありませんし、子宮外妊娠を回避できるものではありません。

    • 避妊法のなかで皆さんに最もお勧めしているのが、低用量ピル(OC: oral contraceptives)です。
      自分の妊娠は人生の一大事ととらえ、そのタイミングは自分で主導権を握っておこうという方にお勧めできる方法です。
      含まれるホルモンの種類、量によって「トリキュラー」、「マーベロン」を用意しています。

    • ホルモン療法の効用には、以下のような月経にまつわるトラブルの軽減、改善があげられます。
      ● 月経困難症:月経に伴って起こる病的症状(日常生活に支障をきたすほどの生理痛など)
      ● 過多月経:月経時の出血が多い

      ● 月経前症候群(PMS):月経の3~10日前頃から続く精神的、身体的症状

      対象年齢は、初潮を迎えてから、閉経までです。
      その時々のみなさんの状況から治療法を選んでいきましょう。

      治療の方法には、(1)内服薬と、(2)子宮内に留置するホルモン剤(子宮内黄体ホルモン放出システム:ミレーナ)があります。

      (1)内服薬

      ① 低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP:low-dose estrogen progestin)


      これは、黄体ホルモンの種類による違いや、服用方法の違いによって、「ヤーズ」、「ルナベル」、「ジェミーナ」などの種類があります。


      ② 黄体ホルモン製剤 ディナゲスト(ジエノゲスト)


      子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫に伴う月経困難症や、過多月経に対して処方します。

      LEPでは、「排卵しない」状態となり、周期的投与により出血量は減少、痛みも軽くなり、連日投与ではさらにその頻度が減ることになります。

      ディナゲストは連日投与です。ディナゲストを服用後6~12か月間は、不定期に少量の出血が起こることが知られています。
      また、ディナゲストは卵胞ホルモンを含んでいないため、LEP・ピルと違って、血栓症のリスクがないという性質が重要です。

      (2)ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム:LNG-IUS)

      子宮内に留置する黄体ホルモン剤です。

      子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、月経量を減少させるとともに月経痛を軽くします。
      また、妊娠の成立を防いだり、子宮の入り口の粘液を変化させて精子が子宮内に侵入するのを防いだりすることで避妊効果を発揮します。
      この黄体ホルモンは、血液中にはほとんど移行せず、排卵は抑制されません。
      一度入れると、効果は約5年続きます。

      出産経験のある方、次の妊娠までの間隔を空けたい方、長期間避妊したい方、中高年の方、生理の出血が多い方に向いています。

      ※世界では、妊娠・出産経験のない女性への使用も多く、ご希望の方は是非相談してください。
      ※ ミレーナ装着後1〜3ヶ月は、少量の出血が続くことがあります。

【LEP、ピルの副作用】

LEPやピルを飲み始めた頃は、吐き気や、頭痛、下腹部痛などが現れることがあります。
飲み始めてから2~3ヶ月以内におさまる場合がほとんどです。
もしもおさまらない時は、相談の上、ピルの種類を変更してみましょう。

一方、注意が必要なのは「血栓症」です。
LEPやピルを服用している人では、年間1万人に3~9人の発症が報告されています。
血栓症とは、エコノミークラス症候群としてよく知られているもので、血管の中に血の塊ができて、肺、心臓、脳などの血管を詰まらせてしまう状態です。
喫煙習慣のある方、肥満、水分不足、同じ姿勢をとり続ける方がピルを服用すると、血栓症を生じやすいと言われています。
血栓症が疑われる症状は、急激な足の痛みやむくみ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、舌のもつれ、突然の視力障害など、です。
このような症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診し、ピルまたはLEPを服用していることを申し出てください。

「ホルモン療法は避妊だけでなく、様々な使い方で皆さんの毎日を快適にしてくれる道具」

排卵による様々な症状が、「今は妊娠を考えていない」皆さんの毎日を辛いものにしている可能性があります。
初めての月経を迎えた日から始まる問題です。あなたが小学生でも、中学生でも、高校生でも、どうか相談に来てください。一人で来るのが不安であれば、お母さんやお姉さんに相談してください。そして、お母さんたちは“先輩”として「我慢することだ」「心の問題だ」とは言わず、お子さんが安心して相談に来られるように付き添ってください。
ホルモン療法は、排卵をコントロールすることで皆さんをより良い状態に保つ方法です。

更年期障害のためのホルモン補充療法(HRT)

更年期になると、卵巣ホルモンの分泌が減少することで、さまざまな心身の不調が起こります。

  • ホルモン補充療法(HRT)は、低下した卵巣ホルモンを補充するという単純明快な治療法で、更年期障害治療の中心となるものです。
    使用する卵巣ホルモン製剤には、内服薬、皮膚に塗る薬、貼る薬があります。
    卵胞ホルモンだけを使用すると、子宮体がんの発生率は高まります。
    しかし、黄体ホルモン(エフメノカプセル、デュファストンなど)を併用することがほとんどで、それにより、子宮体がんのリスクが減ると言われています。
    また、乳がんの発生頻度は、卵巣ホルモンの作用により1.2倍になると言われていましたが、最近の研究で、服用する黄体ホルモンを天然型黄体ホルモン(エフメノカプセル)にすることで、乳がんのリスクを増やさないことが報告されています。
    さらに、乳がん検診を定期的に受けることで不安を解消することができると考えます。

  • 「プラセンタ療法」も更年期障害の症状改善に有効だという報告が多くみられます。当院でも「プラセンタ療法」を行っています。

  • 漢方薬も大事な治療の選択肢です。
    みなさんの症状などに合わせて処方を選びます。
    2~3か月ほど使ってみて効果を判定することが多く、効果が不十分と感じられる時には、別の処方に変更することもあります。
    当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、加味帰脾湯などを用います。

内服薬 投与が簡単
貼り薬

例)1枚を3~4日毎に1回、下腹部に貼る。
かゆみ、かぶれなどの症状が出ることがある。

内服に比べ、肝臓や胃に負担がかからず、副作用が少ない。

塗り薬

例)2プッシュを1日1回両手首から肩の範囲に塗る。
かゆみなどの症状が出ることがある。

漢方薬

投与が簡単
効果の発現がマイルドであることが多い。

プラセンタ療法 注射:週に1~2回、腕または腹部に皮下注射
内服薬 投与が簡単
貼り薬

例)1枚を3~4日毎に1回、下腹部に貼る。
かゆみ、かぶれなどの症状が出ることがある。
内服に比べ、肝臓や胃に負担がかからず、副作用が少ない。

塗り薬

例)2プッシュを1日1回両手首から肩の範囲に塗る。
かゆみなどの症状が出ることがある。

漢方薬

投与が簡単
効果の発現がマイルドであることが多い。

プラセンタ療法 注射:週に1~2回、腕または腹部に皮下注射

状況に応じて使用する薬や方法が異なります。どのような方針にするかを、医師と相談して決めていきましょう。
「何だか調子が変だな」「更年期かな」と感じたら、ぜひご相談ください。

プラセンタ療法について

プラセンタは胎盤です。
この胎盤を材料にして作られたプラセンタ製剤は、メルスモンとラエンネックの二つの製剤が、更年期障害、乳汁分泌不全、肝炎の適応を得て使用されています。
当院では主にメルスモンの皮下注射を行なっています。

以下のような様々な症状に対して効果を期待することができます。
● 月経困難症
● 月経不順
● 自律神経失調症
● 腰痛、肩こり
● 滋養強壮など

また、病気の治療以外にも、
● 疲労の回復
● 自己免疫疾患、アレルギー疾患の改善
● 美肌、エイジングケアなどの美容効果
などが認められ、多岐にわたる目的で使用されています。

保険適応は、以下の条件が対象です。
● 更年期障害の症状がある45~59歳までの女性
● 乳汁分泌不全
上記以外の場合(月経困難症、自律神経失調症、腰痛、肩こり滋養強壮など)は自費になります。

保険扱い:1回1アンプル、月に15アンプルまで
自費診療:1回2~3アンプル、初めの1か月は週2回、その後は症状の変化を見て間隔をあけ、投与量を調節するのがおすすめです。

【注意点】

プラセンタは、日本国内の感染症のない健康な母親の正常分娩後に出てきた胎盤を材料にしています。わかる範囲で感染症はないのですが、将来的に未知の病原体が発見される可能性は否定できません。
そのためプラセンタ注射後は、献血は控える、臓器提供の際には臓器を受ける人の理解が必要です。その旨、ご面倒でも同意書を頂いています。

ビタミン注射(ビタミンB、ビタミンCの混合注射。疲労回復、美肌、美白効果が期待できます。)との併用も可能です。

内服のプラセンタ製剤もございます。

まずはお気軽にご相談ください。