妊娠診断について
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1. 尿検査
尿の中のHCGというホルモンをチェックする検査です。
妊娠4週頃(受精して約2週間)には陽性の反応がでます。
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2. 基礎体温
体調や排卵の有無、妊娠週数は、基礎体温を記録することで把握することができます。
排卵のリズムやホルモンバランスが正常な方は「高温期」と「低温期」の2層性を示します。
妊娠が成立している場合、月経予定日が過ぎても高温期が維持されます。高温期が続く場合、
尿検査で妊娠の確認をします。基礎体温を記録している方は、受診の際にお持ちください。
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3. 経腟超音波検査
超音波検査で、着床部位を含め、正常な妊娠かどうかを判断します。
条件がよければ、妊娠4週頃には胎嚢(たいのう)と呼ばれる赤ちゃんの部屋が見えます。
正常な経過をたどっている6週では小さな赤ちゃんが、7週には1cmの赤ちゃんが見えます。
妊娠の診断を受けたら
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1. 妊娠の継続を確認
経腟超音波検査で、胎嚢の中の赤ちゃんの存在を確認します。
赤ちゃんの姿が見えたら、心臓の拍動が見えるかを確認します。
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2. 2週間に1回のチェック
妊娠の診断後は、2週間に1回のペースで赤ちゃんの様子を見ていきます。
7週になると赤ちゃんは1cmを越え、9週では腕や足が伸びてきます。
9〜10週頃のチェックの際、助産師から妊婦健診や母子手帳についての説明があります。
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3. 一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査
出生前検査認証制度等運営委員会のウェブサイトをご覧ください。
妊婦さんやご家族のためのサイトです。出生前検査、相談先、生まれながらに病気のあるお子さんとの暮らしや福祉についての情報を提供しています。
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4. 妊婦健診
妊娠診断後のチェックを経て、妊娠12週頃から定期的な妊婦健診が始まります。
この時から母子手帳を活用していきます。
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5. 子宮頚がん検査と乳房チェック
妊娠初期に皆さんにお勧めしている検査です。
子宮頚がん検査は、子宮の出口の細胞をブラシで採取して調べる「細胞診」です。
必要に応じて、子宮頚がんの原因であるヒトパピローマウイルスの検査も行います。
乳房チェックは、視触診と超音波検査で行います。
乳房を意識する生活習慣「ブレスト・アウェアネス」について、下記をご参照ください。
https://www.jbcs.gr.jp/uploads/files/citizens/breastawareness_pamph.pdf
望まない妊娠に気づいたとき
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1. 人工妊娠中絶
正常な妊娠であることを診断したら、妊娠5週〜11週まで手術的に妊娠の中断を行うことができます。
手術は母体保護法に準じた手術です。当院では基本的に日帰り手術で対応しています。
〈手術の流れ〉
午前9時:来院
子宮の出口を柔らかくして、手術を安全に、短時間で行う準備として、細いスポンジの棒を子宮の出口に入れる処置をします。
午前11時:手術
手術は全身麻酔で行います。点滴をしながら、鎮痛剤、安定剤、静脈麻酔薬を投与し、完全に麻酔下状態になって手術を始めます。
ほとんどの手術は、手動真空吸引法(MVA)で行います。金属ではない合成樹脂の器材を用い、子宮への損傷の可能性をできる限り少なくする工夫をしています。
妊娠週数により異なりますが、手術時間は5〜10分以内です。
午後3〜4時頃:退院診察
1週間後:診察
ご自分の人生を左右してしまう妊娠を自分の手でコントロールする“避妊”についてお話ししたいと考えています。
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2. 緊急避妊(アフターピル)
妊娠の可能性があるセックスのあと、その妊娠を望んでいないのであれば、なるべく早く受診してください。
受精のタイミングから72時間以内(できれば24時間以内)に緊急避妊用のピルを服用することで、望まない妊娠を回避できるかもしれません。迷わずに行動してください。